FFP概論② 上級会員とは ― 不満からの解放

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前回
「上級」という言葉は現代の日本ではそれほど一般的ではないように思えます。例えば国家公務員 上級(甲乙)試験が I種 となったのは昭和の時代、1983年のことです。選民思想的な香りのする上級(下級)という表現はあまり好ましいものとは捉われていません。

ところが、FFPに関する限りは「上級会員」という言葉が随分多用されています。もちろん、航空会社側から「上級会員」と呼ぶことは稀でしょうが、ユーザーの間では当然のように「上級会員」「平会員」といった文言が使われています。

「上級会員」という呼称は、当事者にとっては気持ちがいいものなのかもしれません。Twitterアカウントに使用する人も珍しくはありません。

優先 ― Priority

FFP概論①で触れたように、上級会員は「金払いの良い多頻度搭乗客」です。この人たちがどのようなメリットを享受できるのか見てみましょう。各FFPにおいて詳細は異なりますが、一般的なFFPに共通するであろう事柄をご紹介します。

「優先」取扱い。金払いの良い多頻度搭乗客は、航空会社にとっては極めて重要な顧客です。彼らの満足度を高めることは経営の面でも優先度の高い課題です。 満足度を高めるには、まず不満を解消することが手っ取り早い施策でしょう。航空会社の上級会員は、平会員が感じる様々な不満から解放されます。

空港に到着して最初に手続きをするチェックインカウンター。繁忙期のフライトの重なる時間帯など、長蛇の列ができることでお馴染みですが、上級会員はそのような列に並んで無為に時間を過ごす必要がありません。彼らは航空会社が用意した優先カウンターを使うことで、待ち時間を一気に短縮します。仮に一般カウンターが空いていたとしても、優先カウンターを使うことで「平会員とは違う」という優越感を感じることもできます。素晴らしいですね。

パリ、シャルル・ド・ゴール空港 エールフランス優先レーン

チェックインを済ませ、荷物を預けた後はセキュリティチェック、(国際線の場合は)パスポートコントロールへと続きます。空港により運用は異なりますが、少なくない空港で上級会員用のセキュリティチェックレーンが用意されています。最上級会員用にチェックインカウンターからセキュリティチェックまで専用の動線が用意されている場合もあります。

少なくとも日本の空港においては、パスポートコントロールでの優遇はありません。お上の前では皆平等、法務省入国管理局には航空会社の些末な施策など気にするゆとりはありません。ただ、昨今は自動認証ゲートの導入も進むなど、パスポートコントロールの滞留時間を削減しようという国の施策も効いてきているようです。

必要な手続きを終えたら、あとは飛行機に乗り込むだけです。小型機ならば数十人ですが、大型機になれば300人以上の乗客が、多くて2つ程度のボーディングブリッジから機内に入ります。小学生でもわかる渋滞発生の原因です。この場面でも、上級会員は優先して機内に入ることが許されます。本当の貴族は悠然と最後に搭乗し、そして最初に降機するなどと考えてはいけません。なお、降機する際は前方座席(出口に近い座席)からとなるため、残念ながら後方に座ってしまえば上級会員といえども、それなりの時間待たさざるをえません。

さて、降機した後は預けておいた荷物を受け取りましょう。小型機なら預けられている荷物の数もたかが知れますが、大型機となれば話は別です。ターンテーブル前で自分の荷物がいつ出てくるか常に神経を使い、目を凝らして探さなければいけません。ところが、上級会員の荷物は優先的に(最初の方に)出てきます。大勢の平会員がまだかまだかと自分の荷物を待っている中、悠然と荷物を受け取り、誰よりも早く異国の地を踏むことが許されるのも、上級会員の立派な特権と言えるでしょう。

出発地の空港に到着してから、到着地の空港を出るまで、多くの面で不満を取り除かれた上級会員は、じつにストレスフリーな空の旅を楽しめます。

つづく

コメント

  1. kingsfisher より:

    エコノミーとビジネスの価格差はこのためだったのか