《搭乗記》LHR→DOH カタール航空ビジネスクラス(Qsuite)

搭乗記

前回

搭乗時間が近づいてきたので、ラウンジを後にしてゲートに向かいます。

 今回の機材はB777-300ER。カタール航空の新型ビジネスクラスシートQsuiteが搭載されています。2017年春に発表された個室型のビジネスクラスです。<First in Business>とも表現していたと記憶しています。デルタ航空のDelta Oneなど、個室型ビジネスクラスが登場してきていますが、実際の使い心地はどうなのでしょうか。ワクワクしながら機内に入ります。


 こちらがQsuiteです。ドーハ到着時に撮影した写真なので、暗くなってしまっています。Qsuiteの特徴はたんなる個室である点だけではなく、前後左右の席との連結にあります。一列ごとに椅子の向きが逆になっており、隔てている仕切りをとると対面する構造になっています。1-2-1の座席配置ですから、窓際は2人、中央は最大4人まで対面して会話や食事を頼めるようになっています。文字で説明しても分かりにくいので、オフィシャルの画像を紹介します。

カタール航空公式サイトより

 そんな特徴も一人旅では無関係です。

 さて、実際に座ってみると思った以上に圧迫感を感じます。閉所恐怖症の人はおそらくかなり苦しいと思います。<First in Business>と謳ってはいましたが、本質はビジネスクラスです。一人当たりの専有面積は従来のヘリンボーン式の座席とそれほどかわらないと思います。そこに工夫を加えて壁を設置したわけですから、どうしても狭いと感じてしまいます。ファーストクラスほどの余裕は感じられません(カタールのファーストは乗ったことがありませんが)。

 広角レンズで撮影しているのでディスプレイが歪んでしまっていますが、内部からはこのような感じです。実際はもう少し圧迫感を感じます

 ディスプレイの大きさはなかなかのものですが、角度調節はできません。カタールの場合、ヘリンボーンのビジネスクラスシートでも角度調節はできませんので、寝ながら見るような行儀の悪い顧客はそもそも想定していないのでしょう。あるいは、この大きさになると固定するしか方法がないのかもしれません。同じ形のシートを採用しているエールフランスだとディスプレイの角度が調節できるようになっていますが、ディスプレイはカタールよりも小さいですからね。

 ユニバーサル電源もUSB給電端子もシートから手が届く範囲に配置されています。シートによっては屈んだりしなければ使えないような配置のものもあったりするので、こういった設計は地味にありがたいです。

 枕にもなるクッションは豊富です。1つあれば十分なのですが、たしか全部で3つあったと思います。毛布は他のエアラインではあまりお目に掛れないようなしっかりしたもの。やはり全体的にお金を掛けています。ただ、こういったものは離着陸や食事の際に、どこにしまうかでいつも少し苦労します。

 以前もご紹介したように、カタール航空のビジネスクラスでは決まった機内食の時間というものがありません。乗客は搭乗後早い段階で、希望の時間とメニューを聞かれます。多くのエアラインの場合、離陸後一斉に最初の機内食が配膳され、大体の乗客の食事が終わった段階で機内の照明が落とされます。ところが、カタールの場合は機内食の時間が乗客によってバラバラのため、離陸後間もなく機内の照明が落ちてしまいますので、暗い中で食事をすることもしばしばです。

 ところが、Qsuiteでは今までにない工夫が施されていました。

 まさかこんな形で補助の照明が入るとは予想していませんでした。高級感を感じるかと言われれば甚だ疑問も残りますが、妙なところでコスト掛けているという一貫性は感じます。キャンドルライトの程よく安っぽい感じもいとをかし。

 妙な風情を感じながら機内食を楽しみます。

 レベルの高いカタール航空の機内食の中でも、スープはとくに出来がいいです。今回はスイートコーンのスープ。しっかりとした甘味を感じられます。

 前菜はスモークサーモン。思ったよりも厚いです。サーモンそのものは平凡でしたが、ホースラディッシュが良いアクセントになっています。機内は味覚が鈍るためか、強い味付け、刺激的なもが美味しく感じられるように思います。

 メインは子羊のステーキ。少し過加熱ぎみで、こちらはイマイチ。付け合せのポテトとトマト(のラタトゥイユということになっています。メニュー上は)のほうが美味しかったです。

デザートはアイス。ベリーも添えられて、これも美味しい。カタールはデザートでもはずれがないように思います。最初のスープと最後のデザートをちゃんとしたものを出すことで、全体の印象は良くなります。

 食後のチョコレートはGODIVA。

 ドアを閉めると通路を挟んだ隣席の様子は一切わかりません。ただ、それほど高い壁でもないので見回りのCAさんからは内部がちゃんと確認できるようになっています。中央列はダブルベットとしても使えるようですが、いかがわしいことをするのは避けた方が賢明です。

 このフライトの時点でQsuiteに乗れる路線は限られていましたが、2019年1月現在では成田線にも導入されています。さらに、19年1月1日からQsuiteを搭載した最新鋭機A350-1000が羽田線に投入されました。

 謳い文句がどうであったにせよ、これはファーストクラスではなく完全にビジネスクラスです。しかし、従来のビジネスクラスとはちょっと変わった体験ができる興味深いシートです。付随するサービスもカタール航空ならではのもので、心を掴まれる日本人客も増えるのではないでしょうか。最近はカタール航空も日本での 評価が定着して以前のように市場一般から乖離した価格のセールを実施しなくなっているのが残念でなりません。

 おわり

搭乗時期:2017年9月

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